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石の哲学

「芹沢銈介美術館」は静岡市登呂公園内に佇んでいます。設計は「白井晟一」さん、開館は1981年です。人間国宝である芹沢さんの展示作品も素晴らしいのですが、個人的には大好きな建築家が設計した建物に惹かれて、機会あるごとに訪問しています。建物の何に惹かれるのか説明は難しいのですが、建築家「白井晟一」作品の持つ普遍性と厳しく精査された造形、妥協のないDETAILなど高潔な精神に貫かれた姿勢に惹かれるのかもしれません。白井作品は、形の持つ意味や価値を己に厳しく問うゆるぎない姿勢を、いつも私に教えてくれます。

  • 左:アプローチ先の一本の立ち木越しに見える池 右:左に折れて進むと低く抑えた入口
  • 左:アプローチ先の一本の立ち木越しに見える池を囲む、平屋の平面形の建物。右:左に折れて進むと低く抑えた入口があります。動線操作により、建築を物語的に演出してくれます。
  • 左:応接室 右:何度となく訪れてしまう魅力的な建物
  • 左:応接室(特別室)の囲いこまれた専用庭。深い庇が室内への光を和らげ、庭の景色を引き立てます。右:何度となく訪れてしまう魅力的な建物。
  • 左、右上:仕上材の天然石 右下:手の込んだ石の加工
  • 左、右上:仕上材の天然石は、経年と共に落ち着きある表情をみせてくれます。右下:手の込んだ石の加工。

紙の資料館

「Pam」は沼津市に在する特殊紙製造社の企業資料館です。設計は、被災地ボランティアや紙の建築で有名な世界規模で活躍中の建築家「坂茂」さんです。日常や社会で紙が果たしている重要な役割が、わかりやすく展示されています。レイアウトに余裕を持たせた展示室は見やすく、収納もシステム化されていて、整然とした幾何学的な印象を高めています。 設備や材のバランス、プロポーションも綺麗にまとめてあり、設計者の力量が伝わる完成度の高い作品でした。計画も材料も造形も突出した部位はないのですが、美しさを感じる建物になっています。小手先のデザインを排した、基本の大切さを再認識させてくれる作品です。

  • 左上:「Pam」(Paper and material)左下:展示もわかりやすく。右:これも紙で作られています。
  • 左上:「Pam」(Paper and material)左下:展示もわかりやすく。右:これも紙で作られています。
  • 左:ガラスを多用した鉄骨構造。右:屋根はテントシート材の直方体で構成された、シンプルな建物。
  • 左:ガラスを多用した鉄骨構造。右:屋根はテントシート材の直方体で構成された、シンプルな建物。

東山旧岸邸

御殿場市東山の「岸信介邸」見学記です。1969年築、設計は「吉田五十八」さんによります。庭を楽しむための建物とも言えます。広くて手入れの行き届いた庭と建物の相乗効果が、旧岸邸を特別にしていることがよく解ります。この作品から周囲環境と建物の関係の大切さを、改めて教えられた気がします。

  • 深い緑に抱かれた緩い屋根
  • 深い緑に抱かれた緩い屋根の邸宅は、存在を主張しない控えめな外観です。
  • 左:美しい四季を演じる広々とした日本庭園を望む食堂居間。右:眺めも味覚の一部として取り込んだダイニングです。
  • 左:美しい四季を演じる広々とした日本庭園を望む食堂居間。右:眺めも味覚の一部として取り込んだダイニングです。
  • 左:広くて手入れの行き届いた美しい庭。右:竹林に囲まれた西の萱葺門。林の中を遊歩して屋敷に至ります。
  • 左:広くて手入れの行き届いた美しい庭。右:竹林に囲まれた西の萱葺門。林の中を遊歩して屋敷に至ります。
  • 左、右上:洗練された材料とプロポーションの近代数奇屋手法。右下:引き込み建具であるガラス・網戸・雨戸の三層の連なるレール
  • 左、右上:洗練された材料とプロポーションの近代数奇屋手法。右下:引き込み建具であるガラス・網戸・雨戸の三層の連なるレール。そのレール間がすいているため、水捌けが良い造りです。

いくつかご紹介しましたが、まだまだ素敵な場所があるはずです。新しいお気に入りを見つけてウォーキングするのが楽しみです。

今回のレポーターを務めた建築家

伊藤 彰彦(いとう あきひこ/ Akihiko Ito)

伊藤 彰彦 (いとう あきひこ/ Akihiko Ito)
パパカンパニー1級建築士事務所
豊橋市前田町2丁目18-30ユトリロ前田2A
TEL 0532-55-8700 / FAX 0532-55-8699papa-com.com/「元気が出る家」を目指して皆様の多彩な家造りのお手伝いをしています。家には住まい手の生活を楽しく豊かにする力が有ります。夢や遊び心も大切な機能と考えて楽しく進めます。軽井沢のリゾート型住宅や他県から依頼の機会も多々いただきました。遠距離でも……more

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