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才本 清継(さいもと きよつぐ/ KIYOTSUGU SAIMOTO)

会社名
株式会社 才本設計アトリエ建築
所在地
名古屋市中区丸の内2-17-10 丸和ビル3階
URL
http://www.saimoto.jp

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多治見 虎渓山永保寺の景観
株式会社 才本設計アトリエ建築の才本です。

多治見 虎渓山永保寺の景観

2013.06.29

虎渓山永保寺は夢窓国師が正和2年(1313年)、39才の時、行雲流水の途すがらここの地形を賞して「山水天開画幽境(その山水の景は大自然の中に描かれた絵のような幽境の地)」と賞し隠棲の地と定められ、草庵を建てたことに発している、と当寺発行の小冊子に記されています。この記録にあるように現在も完全無欠の自然環境の体をなし、すばらしく気持ちよい空間をつくっています。同じ夢想国師作の京都嵯峨天竜寺でもそうであったように、近くには土岐川が流れ(天竜寺は桂川)そのせせらぎの音が心を洗う、という効果も仕組まれています。そのものづくりの姿勢は、狭義の庭づくりを超え、周辺を取り込んだ環境づくり、さらに小宇宙を創造しようという意志が貫かれてかれています。  
夢窓国師の滞在期間はわずか3年でありましたが、翌年の正和3年(1314年)に特徴がある岩山の脇に観音堂(国宝建築物)を建立し、池庭(臥竜池)をうがち、観音堂の前に橋殿を上げたそり橋(無際橋)を造り庭園を整えました。そもそも禅宗寺院の庭は禅の教えを伝えたり、修行のための場としてつくられました。そのために、それにふさわしい場、空間・環境をつくることが求められ、その結果「山水天開画幽境」と言える場を探し求めたと考えられます。ここで思い出されるのが南フランスで12世紀(聖堂は1175年完成)に建築されたル・トロネ修道院です。宗教的な修行を人里離れた自然環境の中で行うという、共通点があります。
 臥竜池にかかる無際橋と観音堂の光景はなんともすばらしい。この無際橋のようなそり橋は文献的には数多くみられますが現存するのはここだけです。このそり橋によって景観がどれほどよくなるかを示す唯一の例であります。また山の中であるがゆえに人工的な雑音もなく、観音堂の左手の梵音巌(ぼんのんがん)と呼ばれる巨大な岩石の天辺からいく筋かの滝(飛瀑泉)が流れ落ちる音が現世の塵を吹き払ってくれます。
そり橋の橋殿(橋の中央にある亭)は、そこから梵音巌や飛瀑泉、池庭を観じ禅の境地に入る場所である、とのことです。境内の様々な要素が、視覚、聴覚をはもちろんのこと五感すべてを通して宗教的な思惟を高めようと意図されているように感じられます。

臥竜池を前景に右から無際橋、観音堂、飛瀑泉を落とす梵音巌

山の上にある座禅石から見た永保寺境内


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